通常、通信を高速化するための技術的指針としては新しい技術(変調方式、占有帯域幅拡大やチャネルボンディング)を付加して、ベストエフォート時の通信速度表示をPRしていくことが主流です。
実際、WiFiにおいては、11n → 11ac → 11ac と変遷を経ていますし、今後も新規格が導入されていくでしょう。
しかし、実際の都市部ではWiFiの普及が飽和しつつあり、外来波による電波干渉が実効利用速度を劣化させているのが現実だと思います。
その課題を解決すれば、同じ利用現場で格段に通信の高速化が実現するはず。
そんなコンセプトを製品化したのがPotalです。
現在、グリーンファンディングで初回ロットの購入者を募っていますね。
何故、電波干渉問題を解決できるのか?
WiFi利用において、特に5GHz帯はDFS(Dynamic Frequency Selection)はレーダー波との干渉を避けるために、WiFi端末がレーダー波(実際にはレーダー波が利用しているチャンネル)を受信した際には、その周波数の利用を停止しなければいけない。
つまり、他のチャンネルを利用するようになるのだが、一般のWiFi端末はレーダー波を検知する計測間隔はそれほどシビアには設計されていない。
一日に一度受信するかしないかの電波の検知でもあり、計測した際に停波する予備機能といった設計であるので、シビアに計測する必要性も高くない(法令で定められた受信レベルにおける計測能力は必要ですが)。
Potalを開発したIgnition Design Labs 社は、DFS対象周波数帯およびWiFiで利用できる5GHz帯(海外で利用可能な5.8GHz帯まで可能)をリアルタイムに計測し、レーダー波だけでなく、周囲で利用している周波数も含めた全ての外来波をアクティブに検知することを可能としました。
それゆえ、最も干渉が少ないチャンネルを逐次分析し、80GHzや160GHzといった広域な占有帯域幅を利用する際にも干渉の影響を最小化できる。
干渉の弊害を最適化することで、通信の高速化を実現しようというアプローチなのです。
逆転の発想ですね。
もっとも、11ac wave2 & ビームフォーミングを採用する(最大1.7Gbps)とのことなので、既存技術で搭載可能な機能は盛りだくさんでもあり、我々の体感レベルで「大きな違い」を生み出す技術となりそう。
早く製品化してほしいですね。
それにしても、「ターボチャージ」なんてトンガッタ表現もよく思いついたもんですが...
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